2009年4月30日木曜日

出社12日目。

海外を訪れた日本人が、みんな思うであろうこと。

それは、日本ほど暮らしやすい国はない!ということではないでしょうか。

先進国で治安もいいロンドンは基本的に暮らしやすい街ではありますが、それでも、

*何の前触れもなく、いきなり閉鎖される地下鉄
*サービス業の人間全般の異常な態度の悪さ
*使いにくい上にすぐ壊れる家電・日用品
*とても重く、よく止まるネット
*頻発する漏水・水詰まり

などなど、今思いついただけでも、細かなトラブルがしょっちゅう起こります。日本でこんなことは滅多にないし、あったとしても、速攻で復旧しますよね。日本人のサービス精神というか、細やかさは、本当に素晴らしいです。

ただ、最近、この日本人の細やかさのマイナス面が、少し目立って来たなとも思うのです。

上に書いたように、日本に比べるとイギリスはすべてが適当というかノンビリしていますが、その分、みんながいい意味でノンビリと過ごしています。来る前は、不況で日本以上にボロボロなんじゃないかと思ってたのですが、わりとみんな昼間からパブで遊んでたりして、ノンキです(金融街のあたりは、さすがにかなり雰囲気が悪くなってるようですが)。

それに比べると、日本では社会全体が、ちょっとギスギスしてきているような気がします。当然ながら、ふだん僕らが享受している完璧なサービスは、完璧な仕事をしている人たちに支えられてるんですよね。

こっちに来る前、ケータイの手続きを変更しにお店に行ったのですが、僕の前に並んでたおばさん(多分、家では普通のいいお母さんなんだと思います)が長時間待たされたとかで、店員全員を一列に並ばせて、もの凄い剣幕で怒鳴り散らしていました。言ってる内容はほとんど無茶苦茶なんですが、それでも店員の人たちは真摯に対応して、平謝りしてました。

電車の中とかでも、怒ったりケンカしている人を、以前よりよく見かけるようになったように感じます。

上にも書いたように、日本人の細やかさや生真面目さは素晴らしいです。でも、それ一辺倒じゃない生き方/仕事の仕方にも目を向けた方が、結果的にみんながハッピーになれるんじゃないかと思いました。


・・・・とはいえ、水回りのトラブルは、もう勘弁して欲しいですが(苦笑)。新居に引っ越して1週間で、もう3回目だよ!

2009年4月29日水曜日

出社11日目。

今日は昨日以上にキツい!

とある女性向け商品の座談会があるというので行ってみたら、20人ぐらい人がいて、オレ以外全員女性!!!ほとんど「家畜人ヤプー」の世界ですよ。






僕の心理状態を反映して、今回は短文&写真無しです。

2009年4月28日火曜日

出社10日目。

自宅のネット環境がまたも不調で、更新が遅れました。

日本はそろそろGWに突入ですが、僕の方はちょっと仕事がヤバいです。

全く知らない商品、全く知らないタレントで、テレビからプリント、ネットまで、キャンペーン全体を1日で考える、という、結構(というか相当)きついオリエンがありました。(しかも、当然だけど、全部英語で)

でも、3週目にしてやっとCDに直接企画を見てもらえる機会があるっぽいので、日本との違いとかわかったら、ここで報告しますね。








僕の崖っぷち状態を反映して、今回は短文&写真無しです。

2009年4月26日日曜日

「ザ・レスラー」を観ました。



オフィスでの話題が続いてるので、今回は余談。先週末、レスタースクエアにあるプリンス・チャールズ・シネマに、「ザ・レスラー」を観にいきました。プリンス・チャールズ・シネマは、過去の名作や、ちょっと前に上映が終了した映画を、安い値段で見れる映画館。ウェブを見てもらうとわかりますが、なかなかプログラムが充実しています。来週は「7人の侍」を上映するらしいですね。

それで「レスラー」ですが、数多くの映画祭で賞を撮りまくってるだけあり、なかなかの力作でした。プロレスを題材にしてはいますが、プロレスファン以外の人の方が、かえって新鮮に感じておもしろいんじゃないかと思います。日本公開前なのでネタバレをさけますが、わりとストーリーは古典的というか、王道なので。

圧巻なのは、やはりミッキー・ロークの演技。演じているのが、かつて大スターだったけど今はドン底という、ほとんど本人のリアル人生そのまんまの役柄なだけあって、ちょっと異常な説得力を感じます。ヴィム・ヴェンダースがヴェネチアの審査時に「映画祭の規則を曲げ、グランプリと主演男優賞の両方を贈るべきだ」とか言ったらしいですが、そのコメントもうなずける、まさにミックー・ロークのための映画でした。それにしても、ボクシングがきっかけて転落した人がプロレス映画で復活するなんて、ちょっと出来すぎた話です。

ミッキー・ロークといえば、「シン・シティ」でのマーヴ役も良かったですね。「シン・シティ」を観た彼の別れた奥さんが、「マーヴがとても素敵だった」と電話してきたので、「じゃあどうして離婚したんだ?俺はマーヴそのものだったのに」とこたえたと、どこかで読みました。ホントに私生活がマーヴそのものだったとすれば、奥さんが離婚した原因は明白だと思いますが(笑)

クリエーターというのは、多かれ少なかれ自分の人生を作品に投影するものだと思いますが、ここまで演技=人生そのまんまな人も珍しいですよね。日本で公開されたら、ぜひ見てみてください。

2009年4月25日土曜日

出社9日目。



この日は、晩御飯を買いにオフィス近くの中華の屋台に行ったら、屋台のおじさんに、

「You look like Bruce Lee」

って言われました。

あとは、机に向ってずっとウンウン企画していた・・・そんな一日でした。

2009年4月24日金曜日

出社8日目。



ランチ後にオフィスの外に出てみると、OxfordStreetが閉鎖されていてビックリ。警官も大勢いるし。この写真だけ見てると、テロでも起きたようなものものしい雰囲気だけど・・・



実際はご覧の通り、緊張感ゼロ(笑)。警官に事情を聞いたところ、ただのガス漏れだったらしく、1、2時間後には復旧してました。



この日はオールスタッフミーティングがあり、新入りってことで、僕もみんなに紹介してもらいました。ミーティング自体は20分くらいで終わってしまい、その後またしてもパブに集合。僕みたいな新入りもいれば、もうすぐ会社を離れてしまう人もいます。ひとつの会社にいるのは長くても3、4年で、すぐに転職するのが、こちらでは普通みたいです。ロンドンの会社が近所のパブをたまり場みたいにするのは、会社にいる期間が短い分、その間のコミュニケーションを濃密にする目的があるのかもしれません。

出社7日目。





この日は割とみんな遅くまでオフィスに残ってたので、近所のイタリアンまで夕食に行きました。

チェックのシャツを着てるのがマット。いま僕と一緒に、とあるクライアントの作業をしています。2枚目の写真でマットの横にいるのがリバー・フェニックス・・・ではなく、セリーナ。彼女は世界中を旅行してるらしいんですが、中目黒のあの店がオススメとか、ジブリ美術館が最高だったとか、日本のHENTAIアニメ(萌え系のエロアニメのことを、こっちではこう言うらしい)がどうしたとか、驚くほど日本に詳しいです。彼らは二人ともオーストラリア出身。意外なのは、ロンドンのオフィスなのに”イギリス人”が意外なほど少ないこと。以前このブログに登場したトーマスは、スウェーデン人だし。僕はイギリスの(ごく一部の特殊な)音楽には、イギリス人以上に詳しい自信があったので、それが共通の話題になるかと思ってたんですが、アテが外れました。

ちなみに1枚目のマットはやさしい兄さんみたいに映ってますが、「HENTAI?そいつはホットだな」とか言ってる時の写真です(笑)。いや、やさしくて超優秀な人なんですけどね。実際。

2009年4月22日水曜日

出社6日目。



自宅のネット環境があまりに重いので、今日はオフィスにノートPCを持ってきちゃいました。昨日は文字ばかりだったし、今のうちに、画像をいくつかアップロードしておこうと思います。



"Nearly half of all journeys are walkable."



"Few things last as long as..."
ガムの味が長持ちするっていう話っすね。



これはジムの広告っぽいけど、「ウォッチメン」のパロディかな?
(映画版も悪くなかったけど、僕は原作派)


"Deterrent or provocation? = 抑止か、挑発か?"
画像だとわかりにくいけど、実物はかなり巨大で、ものすごい迫力でした。

2009年4月21日火曜日

出社5日目。

(出社4日目の様子はコチラ

今日はAccount Exectiveのクリスが、ランチを御馳走してくれました。食に関してはあまりいい評判のないロンドンですが、さすがに地元の人が通う店は美味しかったです。

クリスは、ゴリラやBRAVIAなど、数多くのヒット作にかかわっている、fallonでもかなりえらい立場にある人。食事をしながらいろいろな話をしたんですが、いちばん驚いたのは、fallonでは現在、「コピーライター」「アートディレクター」という呼称を使用していないことです。

全員、シンプルに"CREATIVE"なんだそうです。

「コピーは、たしかに広告には絶対欠かせない要素だけど、ちょっとspecificな技術だからね。今はプリントとかフィルムとかじゃなくて、アイディアそのものが評価される時代だから」とのこと。

コピーがspecificなものだとは僕は必ずしも思わないけど(SONYのシリーズだって、根本にあるのはlike no otherっていうコピーだし)、要はアイディアが大事だというのは、その通りだと思いました。

fallonだけではなく、小規模なクリエーティブ・エージェンシーの多くは、コピー/ADといった区別を廃止しつつあるらしいです。ただの呼称の問題かもしれないけど、広告のあり方が変わるとともに、作り方も変わっていることを実感させられました。

出社4日目(先週金曜日)。

GLAYのTERUさん、 ブログ365日間連続更新、おめでとうございます!!!



それに引き替え僕ときたら、わずか4日目にして更新中断・・・



言い訳をさせてもらうと、これは僕のせいではなく、週末に引っ越した新居での劣悪なネット環境が原因です!しょっちゅう途切れる上に、なぜかこのブログが有害サイト扱いされてアクセスできず、全く更新できなかったんです!いろいろやった挙句、更新だけは何とかできるようになったものの、やたら重いので、当分あまり画像のないテキスト中心のブログになるかもです。

気を取り直して、先週金曜のことから書いていきます。夕方5時ころ、打ち合わせが終わってデスクに戻ると、なぜかフロアが無人。何か起きたんだろうとキョトンとしていると、前日のエントリーにも登場したトーマスがやってきて、

「みんな今日はもう仕事あがってパブにいるから、yukioも来いよ」

とのこと。彼もパブで飲んでたところを、僕が店内にいないのに気づいて、雨の中オフィスまで呼びに戻ってくれたのでした。トーマス、いいヤツ・・・。

どうも金曜はみんな半どん気分で、朝からパブで飲むのを楽しみにしてるみたいです。



みんなツマミを一切食べず、ひたすらパイント単位で飲みまくるのがすごい。この夜はお腹が空いたまま5,6時間パブで飲み続けたので、さすがに疲れました。

驚いたのは、彼をはじめそこにいたSwedishがみんな、日本のカルチャーにすごく詳しいこと。「千と千尋の神隠し」とかだけならともかく、Bathing Apeとかテリヤキボーイズとかまで会話の中で出てきたのは、ビックリです。逆にスウェーデンのことをあまり知らない自分が恥ずかしくなってきます。「Yngwie Malmsteen is the big star in Japan」って言ったら、笑ってましたが(苦笑)。

せっかくなので、ここでトーマスがかかわった作品をいくつか紹介したいと思います。



おなじみ、SONYのlike no otherシリーズ。去年、いろいろな賞を受賞してましたね。




こちらは、卒業制作でつくったというストップモーションのアニメ。「エンディングが悲惨すぎるのでは・・・」と言ったところ、「Life is hard.」と返答されました。彼は今でも、仕事のヒマを見てストップモーションの作品を作っているのですが、それもすっごく面白いので、ネット上に公開されたらここで紹介しますね。

2009年4月20日月曜日

Suimasen....

Atarashii heya no net kankyou ga amari yokunaku,
blog wo kousin dekizu ni imasu....

suujitu sureba nantoka naru hazu nanode
ima shibaraku omachi kudasai.....


(Office kara nanode nihngo ga utemasen)

2009年4月17日金曜日

出社3日目。






この日は夕方から、3か月に1度開かれるというパーティがありました。壁にかけられてる絵は値段がついていて、ほしい人はその場で買えるんだそうです。

一番目の写真の左にいるトーマスは、スウェーデン出身でfallon londonに来て4年目。この日はじめて会ったんですが、以前汐留に遊びに来たことがあるらしく、すぐに仲良くなれました。他にも汐留や日本に来たことがある人が結構いたんですが、やっぱりそういう共通の話題があると、話しやすくていいですね。ちょっぴり自分のバックグラウンドに感謝したい気持ちになりました。

更新する毎に文章量が順調に減っててスイマセン。週末、引っ越しが終わったら少し落ち着くと思うので、まとまった内容を書こうかと・・・

2009年4月16日木曜日

出社2日目。


(↑フォーチューンクッキーの中身)

ヒマな時はやたらヒマなのに、忙しい時はとにかく忙しくなるのは、世界中どこの広告業界でも変わらないようで・・・。初日は挨拶まわりをしただけで終わり、しばらくこんな感じでノンビリなのかな~と思っていたら、2日目にして初仕事をいただきました。大人の事情であんまり詳しく書けないんですが(スイマセン)、とある大手クライアントさんの作業で、締切は、なんと今日中。大急ぎでブリーフを受け、夕方には企画会議です。

クリエーティブブリーフのことは、ずっと前から話には聞いていたものの、実際仕事で使ってみると、なかなか便利です。ご存じの方も多いと思いますが、クリエーティブブリーフというのは、広告する商品の説明や伝えたいメッセージ、表現のトンマナなど、およそ企画に必要なすべての情報が簡潔にまとめられた、A41,2枚のシートです。内容はクライアントと広告会社の間で合意されているので、僕らクリエーターはブリーフに従って企画をすればいい、という仕組みになっています。こうしたことを手探りでやっていく日本の作業に比べると、かなり効率的。やや企画の自由度が下がる危険もあるけど、日本でももっと導入してみる価値があると思いました。

結局、字コンテを5個持って打ち合わせに行き、そのうち1案についてGoodとのコメントをもらい、翌日以降にCDの意見をもらうことになりました。(この打ち合わせのスタイルも、日本と相当違っていたので、また日を改めて書きます)

この日は仕事以外に不動産の契約でも慌ただしく、結構ヘトヘトになりました。夕食で行ったマッシュポテトの専門店(・・・)の話とかも書きたいんですが、また後日に。

2009年4月15日水曜日

出社1日目。



今日は出社一日目。Oxford Circusから徒歩3分。少し裏手に入ったところのビルに、Fallonのオフィスがあります。

約束した朝11時に行ってみると、KevinとMattという二人が出迎えてくれて、オフィスの中やパソコンの使い方について、とても親切に説明してくれました。

ひと通り説明が終わって、KevinとMattと別れると・・・途方に暮れますね(笑)やることがなくて。この感じ、電通に入社してクリエーティブに配属された直後を思い出します。僕の前に座ってるMattという人(最初に出てきたMattとは別人。こっちでよくある名前なのか、同じオフィスにたくさんのMattもいます)が仕事面で僕のケアをしてくれるらしいのですが、どうもデカい商品のプレゼンが迫ってるようで、あまりムダ話をふったりできる雰囲気じゃない。

仕方がないので、用意してきた自己紹介の資料を添付して全スタッフに挨拶のメールを送信し、フロア全体をあいさつ回り。イギリス出発前の説明会で、会社の方から
「欧米では個人主義が徹底しているから、全然相手にしてもらえないと思ったほうがいい」とオドされてビビってたのですが、話してみると、みんなとてもフレンドリー。デスクに戻るとさっきのメールにもたくさん返信が来てたし、どうも全然相手にしてもらえないってのは杞憂だったようです。

そんなこんなであっという間に夜7時になり、気がつくと周りに人が誰もいない。後ろに座っているEmilyという女の子に聞いてみると、みんな朝9時に来て夜7時にはあがるんだそうです。超健康的!お昼頃に来て徹夜上等な僕ら日本のスタイルとは、ずいぶん違いますね。入社一日目で全然仕事がないとボヤくと、今にイヤッっていうほどやらされるから心配しなくていい、との返事。ここら辺のノリは、日本と一緒ですね。

・・・ということで、1日目はほぼ何もしていなく、地味な内容になってしまったんで、オマケに街中で適当に撮った写真をアップしときます。



「Seem like a good time to talk about a deodrant」っていうコピーの、制汗剤の電車の窓上。地味だけどちょっと好き。



昔の医者は、ノコギリで手術をしてた、という話。「The doctor will saw you」っていう、seeの過去形のsawとノコギリのsawをかけた、ダジャレですね。



駅でやたら見かける動く看板。



偶然通りかかったBBHのオフィス。OxfordCircus周辺にはCRエージェンシーがたくさん集まってるみたいです。

それではまた明日。

2009年4月13日月曜日

ブログ開始。

ホントは到着直後から開始したかったんだけど、
部屋探しやら何やらで意外と忙しく、
ロンドンに着いて4日目のスタートになってしまいました。

みなさん、はじめまして。橋口といいます。
日本の広告会社で働くコピーライターですが
会社の留学制度を利用して6ヶ月間、
ロンドンの会社で働くことになりました。

働く先は、Fallon Londonというクリエーティブ・エージェンシー。
名前を知らなくても、下のようなFallonの作品を見た人は、
日本でも多いんじゃないでしょうか。








短期間ながら、この会社で働く日本人は僕が初めてらしいので、
6ヶ月間をブログにして報告することにしました。
(ブログのデザインを手伝ってくれた
ADの石田さやこに、この場を借りて感謝!)

広告クリエーティブの世界に興味のある人や、
海外で働こうとしてる人などにとってヒントになる情報を
なるべくたくさんアップできるよう、がんばります。

明日が出社第1日目。それでは、また。