2009年6月9日火曜日

出社39日目。

今週のCAMPAIGNの特集テーマは、”シュールリアリズム”。1930年代から現在にいたるまでの、シュールリアリズムと広告クリエーティブの関係について分析していて、読みごたえのある記事でした(音楽や映画顔負けの評論が広告にも行われてることは、欧米の広告文化の奥行きの深さに、ひと役買ってるんじゃないかと思います)。

中でもおもしろかったのは、シュールリアリズムCMベスト10。リンク先から動画が見れますが、fallonからはおなじみCadburyゴリラに加えて、何と、以前このブログでも取り上げたマットのCheesestrings(リンク先のVideo3)がランクイン!他のCMも名作ばかりだし、この中に入ったというのは、結構スゴいことです(本人も嬉しそうでした)。

しかし、こうして全10種ならべて見ると、気持ち悪いものや意味不明なもののオンパレードで、なかなか壮観です(笑)。僕らが海外のCMを見てると、よく「これ商品に落ちてるの?」「どういう意味なの?」なんて議論になります。でも、シュールリアリズムCMというくくり方が示すように、日本人が意味わかんないものは、基本、外国人だって意味わかんないんです。でも、この10種のCMに共通するのは、意味がわかるかわからないかはともかく、人のココロは確実に動かすことだと思います。

人のココロを動かすこと。広告の果たすべき、あまりに当たり前の目的ですが、実際に広告をつくっていると、意外と忘れがちです。自戒の念をこめて書いてますが、オリエンから何十回も打ち合わせを重ね、仮編集のころになると、「これ、人のココロを動かすんだろうか」という問いが、いつの間にか「これ、意味がわかるんだろうか」にすり替わっていることが、結構あるんじゃないでしょうか。

「ココロを動かすかどうか」は、ある程度主観なので、大勢の人間がかかわる広告制作の流れの中で共有しにくい部分があります。最近、世の中が1かゼロかみたいな、極端から極端にふれる風潮なのも、「意味がわかんなきゃダメ」な空気をつくってると思います。

でも、意味がわかる広告をつくるのは、結構簡単です。単純に、○○何%アップ!とか言えば、意味は絶対わかります。でも、それだけではココロが動かない=商品をほしいと思わない場合があるから、僕らみたいな商売が必要なんだと思います。

「意味がわかるかどうか」より、「ココロを動すかどうか」。コピーや企画をつくる上でそんな姿勢でいたいと、CAMPAIGNを読みながら感じました。日本にも「ハッパフミフミ」のような偉大な先例があるし、やればできるはず!

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