2009年6月29日月曜日

カンヌ。

先週、開催されていたカンヌ国際広告祭。金曜1日だけ遊びに行きました。



これはカンヌじゃなくてニースですが、ご覧の通り、海と空は絵葉書のようにキレイです。NICE(ナイス)なんて地名をつけてしまう気持ちも、わかります。(右下のブルドーザーもカッコいい)




でも、振り向いてビーチを見てみると、こんな感じ。あまりNICEじゃないです。

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・・・肝心の広告祭ですが、スクリーニングを見た人に聞いたところ、日本の広告はブーイングか失笑が多かったそうです。僕が4年前に参加した時もそんな感じだったので、相変わらずですね。

海外の人が、日本の広告に興味がないかというとそんなことはなく、みんなビックリするくらい良く見ています。仕事中も、日本の最高なCMを見つけた!みたいな感じで、よくyoutubeのリンクが送られてきます。

でも、そういうのって、言葉は悪いけど、彼らにとって見世物小屋感覚なんですよね。面白がってはいるけど、リスペクトはしてないと思います。

これは仕方のない部分もあって、いまの世の中はグローバル=欧米という、ちょっとズルい図式になっているので、日本の常識や感覚をベースにつくられた広告は、国際広告賞では、どうしてもマヌケに見えてしまう場合があります。

こういう状況で評価してもらうには、国も民族も関係ない普遍的な共感を発見するか、逆にどこまでも日本の個性で勝負するしかないんでしょうね。グランプリを穫った夕張夫妻は、その理想的な例なんじゃないでしょうか。不況というタイムリーかつ世界的な話題と、ゆるキャラみたいな日本独自のカルチャーがミックスされていて、それが素晴らしい結果につながったんだと思います。

なんて、延々とエラそうに書いてしまってスイマセン。こういう前例に見習って、俺もガンバらないと!

2009年6月28日日曜日

マイケル。

金曜の朝4時にカンヌに向けて出発。土曜の午後にロンドンに戻りました。

楽しかったけど、ちょっと強行スケジュール過ぎて疲れた・・・

今夜あたりレポートしようと思いますが、取り急ぎこのニュースだけ。




金曜の朝5時頃、空港の売店で初めてマイケル死亡のニュースを知ったんですが、一面で取り上げてるのはTHE SUNだけで、他の新聞では全く扱っていなかったこともあり、ウソじゃないの?と思いました。多分、徹夜作業で入稿したんでしょうね。その甲斐あって、飛ぶように売れていました。

僕は特にマイケルのファンというわけではないですが、MTVが好きだった中学の頃、彼のビデオがよく流れていたので、やはり寂しいですね。特に思い出深いのは、"Black Or White"。この曲が流行っていた当時、カナダのモントリオールに住んでいたんですが、ロンドンと同じように色んな人種が住んでいる街なので、ポジティブなメッセージにとても共感できたのを、よく覚えています(歌ってる本人がどんどん白人みたいになっていったのは、皮肉ですが・・・)。今聴いてもカッコいいですね。アル・ヤンコビックのパロディビデオ(コレコレ)も好きでした。

CAMPAIGNでも、Top10 Michael Jackson adsなる特集をやっています。しかし、「In the world of advertising, Michael Jackson will always be remembered as the face of Pepsi.」ってのには、ちょっとズッコけました。

ロンドンでは来月、復活ライブが予定されていて、会社にもチケット買っている人がいました。今ごろ、ガッカリしてるだろうなぁ。

2009年6月26日金曜日

出社50日目。

日本でも業界の人の間では結構話題になっていたBBC BLASTが、開催中のCannes LionsでBronzeを獲りました。今年のfallon londonの受賞作第1号で、同じ4Fで働いているベン&カイラの作品です。仲間の受賞は嬉しいし、いい刺激になりますね。

明日カンヌに行くので、後日現地の様子をレポろうかと思いますが、今日はロンドン市内で気になった広告です。



これはバーガーキングの店頭ポスター。朝食メニューの広告ですが、タブロイド紙っぽいレイアウトで、SERIAL KILLER(連続殺人犯)とCEREAL KILLER(朝食シリアル・キラー)をかけてて、ちょっと面白いです。バーガーキングは、ワッパー・サクリファイスとかワーパー・バージン(詳細は各自調査)みたいな派手なキャンペーンも面白いけど、商品ポスターや店頭まわりなども、結構工夫しています。




出口の表示も、こんな感じ。フツーにEXITとか書くより、いいですよね。




これは、若者に交通事故防止を呼びかけるポスター。パネルが反射してて見えにくいですが、要は、

「将来、棒高跳びで金メダルを獲るはずだった若者が、車にハネられて高跳び状態になtった」

という、コメントに困るというか、かなりトンでもない企画です。新型インフルのときも思ったけど、こっちの人はたまに、ホントに身もフタもない直接訴求をやりますね・・・。


何にせよ、広告がこうして僕らの日常にちょっとしたユーモアや気づきを与えてくれる存在として機能しているのは、嬉しいし、羨ましいです。それが、カンヌとか以上に、広告の目指すべきことだし。

出社49日目。



今、テレビや新聞はウィンブルドン一色・・・なんですが、僕はテニスの知識が全く無いので、今日も関係のない話題です。



ロンドンで便利なのが、すべての通りに名前がついてること。たとえばfallonに行こうと思えば、地図の索引でGreat titchfield streetを調べれば、土地勘のない外国人でもすぐに場所がわかります。

ロンドンは大都市なだけに、自然とネーミングもバラエティに富んでいます。たとえば、Abbey road。たぶん世界一有名な通りだと思いますが、いつも例のポーズで写真を撮る観光客であふれています。他にも、Princess roadなんてかわいい名前があったかと思えば、Gay street(これはロンドンじゃなくて郊外だけど)という、実にオトコらしい響きの通りもあります(ふつうの人たちが暮らす、ごくふつうの通りです。念のため)。

いちばん疑問だったのは、Avenue roadという名前。直訳すると「道通り」みたいな感じで、「馬から落馬状態」だと思うんですが、何なんですかね。昔、ネーミングを担当した人が、PrincessからGayまであらゆる単語を洗い出した挙げ句ネタがつきて、ヤケクソになったのかもしれません。

・・・そんな妄想をしながら、街を散歩してます。

2009年6月24日水曜日

訃報。

以下、朝日新聞からの抜粋。

「でっかいどお。北海道」コピーライター眞木準さん死去


 「でっかいどお。北海道」「恋を何年、休んでますか。」などで知られたコピーライターの眞木準(まき・じゅん)さんが22日、急性心筋梗塞(こう・そく)のため東京都内の病院で死去した。60歳だった。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。連絡先は東京都港区西麻布1の5の13の眞木準企画室(03・3408・4511)。

 愛知県知多市出身。71年慶応大学卒業後、博報堂に入社し、ソニーや全日空、キヤノン、サントリーなどの広告制作を担当。83年に独立した。「女は、ナヤンデルタール。」や「イマ人を刺激する。」といった言葉遊びを取り入れたコピーが高く評価された。

 88年創刊の雑誌「AERA」の誌名を発案した。98年から朝日広告賞審査委員を務めた。TCCクラブ賞やADC最高賞、朝日広告賞など受賞。著書に「一語一絵」「ひとつ上のプレゼン。」「胸からジャック。」「広告制作にかかわる仕事」などがある。

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数年前、僕がコピーライターとして初めていただいた賞の審査員を、眞木さんがされていました。授賞式で表彰状を手渡して頂いたときの感激は、今でもよく覚えています。素晴らしいコピーの数々の中でも、僕は「四十才は二度目のハタチ。」「恋が着せ、愛が脱がせる。」が、特に大好きでした。

三沢選手のときも思いましたが、尊敬していたり影響を受けたりした人が亡くなるというのは、ほんとうに悲しいものです。謹んでご冥福をお祈りします。

特殊車両特集。

以前、道路工事の様子をアップしたことがありました。

「ああいうのがまた見たい」という要望は、全くないのですが、個人的に楽しいので、今回も特殊車両特集です。




前回は巨大なものばかり紹介しましたが、ロンドン自体が結構コンパクトなつくりの街であるせいか、建設機器も小さいものの方がよく目にします。このショベルカーも、運転手の方がデカいくらいで、とてもカワイイです。




このクルマが、ショベルカーを引っぱってました。




これは工事ではなく、ゴミ掃除のクルマ。小ささに加えて、昆虫みたいで、バランスが不安定な形がイイ!太った人が運転したら、前に傾きそう。




これは道に落ちてる吸い殻とかを掃除するヤツ。手押し車みたいにして使います。このまま「WALL.E」とかに出演できちゃいそうな、ラブリーな面構えです。ずっと見ていたいくらいでしたが、変質者だと思われたらいやだし、何より掃除の邪魔なので、ほどほどにしておきました。

2009年6月23日火曜日

出社48日目。

金曜のカンヌ行きを前に、バタバタと準備をしています。

飛行機やホテルなど、ネットでほぼ手配できちゃうので便利なんですが、なんせ初めての経験な上に全部英語なので、ちょいストレスがたまります。何時間くらい前に空港に行けばいいのか、日本でなら常識として知ってる情報も、いちいち調べないといけないし。

あと、現地ツアー情報とか旅日記みたいなのは検索で山ほど出てくるんですが、現地の交通手段とか、ガイドブックのはじめの方に乗っているような基本情報って、意外と見つからないもんですね。4年ほど前、会社に連れ行って貰ったことがあり、何となく覚えているので良かったけど・・・。

飛行機はニース着でそこからカンヌに向かうわけですが、ニースってアルファベットで書くと”NICE=ナイス” 。南仏の気分をよく表していると思います(ちょっとバカっぽいのもふくめて)。

出社47日目。


今日の午前中は、ひとりで黙々と企画をし、
午後はマットと、その作業の企画打ち合わせ。
(といっても、5分くらいで済んじゃうんだけど)

水曜にクライアントとのTissue Meating(軽く感触を見るくらいのプレゼン)があるので、明日、詰める作業に入ります。

ひとつ前のブリーフでは、まったく企画が通らず討ち死にしてしまったんですが、今回は2案ほどプレゼンしてもらえそうです。

2009年6月22日月曜日

Swedish Midsummer Action



スウェーデンでは、”Swedish Midsummer Action”と言って、初夏にドンチャン騒ぎをする風習があり、スウェーデン人が多く暮らすロンドンでも、この時期はいろんなところでみんな盛り上がってるんだそうです。






というワケで、この週末、僕も参加してみました。

この日は、ちょっと前にfallonを離れたトーマスが中心になって企画してくれて、スウェーデン人に限らず、fallonやワイデン&ケネディ ロンドンのクリエーティブや彼の新しい職場のBlinkinkのスタッフなど、たくさんの人が集まっていました。

スウェーデンの食生活は日本と似ていて、魚をたくさん食べるらしく、この日も、ニシンの酢漬けのような料理をご馳走になりまました。ロンドンではどうしても肉中心の食事が多くなってしまうので、こういう機会はうれしいものです。味も美味しかった!お酒は、Snapという40度近くあるかなり強いものを、ショットグラスで飲みほすのがスタイルらしいです。

広くて綺麗な公園が多いロンドンでは、ピクニックやBBQをやってる姿が、たくさん見かけられます。こんな感じで飲むのも、パブとは一味違って、なかなか楽しいもんです。

2009年6月20日土曜日

2階建てバスの旅。

水回りや扉の建付けはイマイチよくないわが家ですが、交通の便はかなりよく、家の目の前にあるバス停からオフィスまで一本で行けます。



運良く2階の先頭に乗れたときは、それだけでかなりハッピーな気分になれます。




なんでロンドンのバスの手すりは、いつも噛みちぎられてるんだろう




ベイカーストリートにある、シャーロックホームズ・ミュージアムです。朝9時、まだ誰もお客さんがいない時間から、シャーロック・ホームズコスプレのお兄さんがドアの前に立ってます。がんばれ。



fallonのすぐ近く、Oxford Streetにて。今はセールの時期なので、こんなポスターがそこら中にあります。ポンドは一時期よりは上がってしまったものの、ブランド品とかは、日本より安い値段で買えます。



これ、広告でしょうかね。突如、パンツ一丁のお姉さん達がパレードしているのに出くわしました。この間、バスの中の全男性が窓側に集結(中央にいるおじさん二人の視線にも注目)。年齢、職業、人種・・・すべてが異なる男達の心がひとつになった、感動の瞬間です。

2009年6月19日金曜日

出社46日目。



今日は、前の席に座っているマットとやっている仕事の、レビュー・ミーティングがありました。「いま、クリエーティブではこんな企画を考えてますよ〜」という報告を、営業をはじめチーム全員にします。

以前もちょい触れましたが、ここでも分業が徹底していて、僕をはじめクリエーティブのスタッフは出席せず、マットがみんなの企画をまとめてミーティングに持っていきました(他のクライアントの作業では全員がそろった場合もあったから、ケースバイケースなんだろうけど)。打ち合わせ後のフィードバックも個別なので、他のスタッフがどんな企画を考えたのかは、本人に見せてもらわない限り、わからないんです。

万事がそんななので、会う機会が少ない他部門のスタッフは、なかなか名前が覚えられません。

同じ作業をしているエミリーという子に、「さっきの営業の女性、誰?」って聞いたら、「あれはTさんよ」と、全くの別人の名前を言ってました(似たような髪型をしてる他の人と、カン違いしてたようです)。

2009年6月18日木曜日

出社45日目。

日本人にとって海外旅行というと一大イベントですが、基本、地続きのヨーロッパ(イギリスは島国だけど)では、かなり気軽に海外に行けちゃいます。ロンドンとパリなんて、電車で1時間くらいらしいです。

そんな、せっかくの機会なので、雰囲気だけでも味わいに、1日だけカンヌに行くことにしました。確か2004年以来だから、5年ぶりになります。

6月26日にカンヌにいますので、都合のいい方は、ぜひご連絡ください。

僕のメルアドは、yukio.hashiguchiアットマーク. 電通.シーオー.ジェーピー(SPAM メール対策。読みづらくてスイマセン)です。


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この前遊びにいった湖水地方で、Beer by busという、ヘンな名前のツアーがありました。その名の通り、バスで現地のパブをまわって、ひらすら飲みまくるというツアーらしいのですが、何とものんきで気に入ってます。ネーミングも、覚えやすいし内容が一発でわかるし、なかなか上手です。多分、コピーライターじゃなく、地元の観光協会の人とかのネーミングだど思うんですが、素朴な感じがしていいですね。

1パイント飲んだだけで真っ赤になる僕は、残念ながら参加しませんでしたが、どんな感じのツアーなのか話を聞いてみたいです。

おなじようなツアーで、Ale by railというのもありました(笑)。

2009年6月17日水曜日

スターバースト(出社44日目)



昨日、テレビで見たスターバーストのCM。

この機会に、今回のブログはスターバースト特集をやってみます。



これ、僕の住んでるフラットのすぐ近所で撮影してます。タイトルにもあるけど、唐突に登場する警官の存在がポイントですね。



この前紹介した、シュールCMベスト10にランクインしてた作品。例によって、途方にくれる作風。



僕個人のいちばんのお気に入りは、コレです。

Lake District



更新が滞ってスイマセン。湖水地方に遊びに行ってました。出かける前は、日本人が好きなティピカルな観光地というイメージがあって、クリエーターらしく、もっと奇抜な場所に出かけた方がいいのでは?なんて思ってたんですが、実際に行ってみたらスゲー良かったです(笑)。イギリス人に湖水地方について聞くと、みんな誇らしげに、いかに素晴らしい場所であるかを語ってくれるのですが("Jewel of England"なんてシャレた表現をしてた人もいました)それも納得。

湖水地方のガイドブックを読むと、ピーターラビットの作者、ベアトリクス・ポターや詩人ワーズワースのゆかりの地であることが、よく書かれています。ま、僕はどっちも読んだことありませんが(苦笑)、確かにこんなところで育ったり暮らしたりしたら、作品にものすごく影響が出るでしょうねぇ。

クリエーターにとって環境って、ものすごく大きな要素だと思います。個性や得意なことを見つけたり伸ばしたりすることも大事ですが、それを発揮できない環境にいたら、意味ないですからね。最近流行りの戦国武将の話をすると、長宗我部元親や伊達政宗は、生まれた場所や時代を嘆いていたそうですが、そういうのって大名やクリエーターに限らず、すべての人に当てはまると思います。

格闘家の菊田早苗選手のブログにも、こんな記述がありました。

自分にはどういうところが合ってるのか、、、これはサラリーマンの世界でも、普通に社会に出れば同じことがあると思う。

(中略)
「ここで通用しなかったら、どこ行っても通用しないよ」 こんなことをよく言われるが、それはケースバイケース。自分に合った場所って必ずある。ないと思うなら作るしかない。


最後の「ないと思うなら作るしかない」というところが大事だし、がんばらなくちゃって気持ちになりますね。

2009年6月13日土曜日

出社43日目。




この日は、会社の男子一同(といっても僕を含めて3人だけだけど)で、「ターミネーター・サルベーション」を観にいきました。前もちょっと書いたように、公開前から行こう!と騒いでたんですが、みんなの都合が合わず、延び延びになっていたんです。

超有名シリーズだけに宣伝量もハンパじゃなく、ロンドン市内は、ちょっとしたターミネーター祭りになってます。上の写真のような新聞ジャックもやってたし、看板やポスターもそこら中に出稿されてます。「ターミネーター・ピザ」なんてものまで発売されてました。(日本のこのニュースも、ちょっとビビりましたが)

んで、肝心の映画なんですが、こういう映画は事前に何を期待して観るかで大きく印象が変わるので、ムズカしいですね。独立した映画としてみれば、結構、よくできていると思います。ただ、ターミネーター映画なのにターミネーターっぽくないのが、違和感がありますね。さんざん宣伝されてた旧型ターミネーターの出番も、全然少ないし。クリスチャン・ベールも、黒い特殊部隊みたいな恰好でバイクに乗ったりするもんだから、ジョン・コナーというよりバットマンに見えます。(一緒に見に行った二人も、同じようなことを言ってました)

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最後に、ロンドンとか広告には関係ない話題ですが(ターミネーターにしたって関係ないけど)、この文章を書いている途中に信じられないニュースが飛び込んできました。ただただ、悲しいです。謹んでご冥福をお祈りします。

2009年6月12日金曜日

出社42日目。



昨日の帰り道に、おなじみロンドンの赤バスが、黒バスになっているのに遭遇。

ご覧の通りG-SHOCKの宣伝カーなんですが、全世界的に「赤い」っていう認識があるものだけに、黒くしただけで、結構なインパクトがありました。



これは、昨日テレビで見て、かなりビックリしたCM。こういうのが普通に放送されてるのって、ホントにすごいことだと思います。

出社41日目。



サム・ライミ監督の最新作、DRAG ME TO HELLを観に行きました。ネットや新聞などで、とにかく評価が高いこの映画。実際観てみると、ちょっとホメられ過ぎなんじゃないかという気はするものの、ホラー映画のお手本のようなつくりで、確かにおもしろかったです。日本公開前なのでネタバレは避けますが、女の子が老婆にヒドい目にあわされるというお話で、内容的にも映像的にも、漫画太郎先生の作風に通じものを感じました。

それにしても主演女優のアリソン・ローマン。どこかで見たような顔だなぁと思いながら映画を観てたんですが、途中でキルスティン・ダンストによく似ていることに気がつきました。スパイダーマンのあのキャスティングに疑問を感じていた人は結構いると思うんですが、要はサム・ライミの好みだったみたいです。

(話を強引にイギリスに持っていくと)ダイアナ妃と結婚したのに本当に好きだったのはカミラさんだったチャールズ皇太子といい、サム・ライミといい、男心もなかなか複雑なものです。

2009年6月10日水曜日

出社40日目。



この日の夜7時から、地下鉄がストライキに突入。市民のメインの交通手段が、まる2日に渡って全く使えなくなってしまいました(僕はバス通勤なので、そこまで影響ないんですが)。ミスをしてクビになった職員2人を再雇用するという組合の要求を、経営が拒否したのが原因らしいですが、これで全面ストにまでなってしまうなんて、組合が相当強いんでしょうねぇ。ロンドン市長は組合のリーダーを"demented"と批判していました。イイのか?そんなこと言って。

写真は、夜6時くらいの地下鉄の入り口の様子。ストがはじめる7時前に電車に乗ろうと、ものすごい数の人が集まってました。

この夜、地下鉄で向かったのは、ジョディ&ルークの兄弟がやっているデザイン・アートチームのHUDSON-POWELLのスタジオ。電通の先輩の紹介で知り合い、ロンドン在住のプロダクトデザイナー沖恵美子さんと一緒に、スタジオに遊びに行かせてもらうことになったんです。

HPも沖さんも、おもしろいものをたくさんつくってますが(上のリンク先から見れます)、作品の出発点が日常のふとした気づきに根ざしてるところが、僕は好きです(って、エラそうに評論家みたいなこと書いて、スイマセン)。こういうのって、毎日をサボらず、好奇心をもって生きてるから、作品に昇華できると思うんですよね。コピーや広告でも、ふつうの生活での気づきや真実を発見するのが、いちばん大事なことだし、勉強&刺激になります。

HPのスタジオで気になったのが、なぜかキッチンのシンクに蛇口がついていないがついていないこと。理由を聞いてみると「プランバーが来なくて、蛇口をつけてくれないんだ」って言ってました。ここでもプランパー問題が・・・。

2009年6月9日火曜日

出社39日目。

今週のCAMPAIGNの特集テーマは、”シュールリアリズム”。1930年代から現在にいたるまでの、シュールリアリズムと広告クリエーティブの関係について分析していて、読みごたえのある記事でした(音楽や映画顔負けの評論が広告にも行われてることは、欧米の広告文化の奥行きの深さに、ひと役買ってるんじゃないかと思います)。

中でもおもしろかったのは、シュールリアリズムCMベスト10。リンク先から動画が見れますが、fallonからはおなじみCadburyゴリラに加えて、何と、以前このブログでも取り上げたマットのCheesestrings(リンク先のVideo3)がランクイン!他のCMも名作ばかりだし、この中に入ったというのは、結構スゴいことです(本人も嬉しそうでした)。

しかし、こうして全10種ならべて見ると、気持ち悪いものや意味不明なもののオンパレードで、なかなか壮観です(笑)。僕らが海外のCMを見てると、よく「これ商品に落ちてるの?」「どういう意味なの?」なんて議論になります。でも、シュールリアリズムCMというくくり方が示すように、日本人が意味わかんないものは、基本、外国人だって意味わかんないんです。でも、この10種のCMに共通するのは、意味がわかるかわからないかはともかく、人のココロは確実に動かすことだと思います。

人のココロを動かすこと。広告の果たすべき、あまりに当たり前の目的ですが、実際に広告をつくっていると、意外と忘れがちです。自戒の念をこめて書いてますが、オリエンから何十回も打ち合わせを重ね、仮編集のころになると、「これ、人のココロを動かすんだろうか」という問いが、いつの間にか「これ、意味がわかるんだろうか」にすり替わっていることが、結構あるんじゃないでしょうか。

「ココロを動かすかどうか」は、ある程度主観なので、大勢の人間がかかわる広告制作の流れの中で共有しにくい部分があります。最近、世の中が1かゼロかみたいな、極端から極端にふれる風潮なのも、「意味がわかんなきゃダメ」な空気をつくってると思います。

でも、意味がわかる広告をつくるのは、結構簡単です。単純に、○○何%アップ!とか言えば、意味は絶対わかります。でも、それだけではココロが動かない=商品をほしいと思わない場合があるから、僕らみたいな商売が必要なんだと思います。

「意味がわかるかどうか」より、「ココロを動すかどうか」。コピーや企画をつくる上でそんな姿勢でいたいと、CAMPAIGNを読みながら感じました。日本にも「ハッパフミフミ」のような偉大な先例があるし、やればできるはず!

2009年6月8日月曜日

マーケット。



ロンドンの楽しみのひとつが、週末になるとあちこちで開催されるマーケット。今日は、カムデンのマーケットに行ってきました。



洋服やアクセサリーの類から、食事の屋台まで、いろいろなお店が並んでて、なかなか楽しいです。カムデンという場所柄か、パンクやメタル系のTシャツ屋が多かったかな。



中には、いまいちよくわからないコンセプトのお店もあります。



これは、先週末に行ってきた、リバプール・ストリートの近くのSUNDAY UP MARKETで撮った写真(音楽ファンにはおなじみのCDショップ、ROUGH TRADEです)。こちらも、食事や洋服などかなり充実してます。僕らと同じくらいの年の日本人も大勢、お寿司や焼きそばの屋台を出していて、応援したい気持ちになりました。このあたりはfallonのスタッフもふくめ、アーティストやクリエーターがたくさん住んでいます。確かに何か面白いことが起りそうな雰囲気のある街です。

これは余談ですが、上のROUGH TRADE、昔は新宿にもお店があったんですが、僕、そこでバイトしてたんですよね。学生時代のことだから、もう10年以上前ですが。CDやレコードのPOPに「激ヤバアブストラクト○○!DJ○○2枚買い!」とか何とか、あのテのコピーを書くのが仕事でした。

よっぽど勤務態度に問題があったのか、ひと月くらいでクビになったんですが、コピーライターになってイギリス本店に来るなんて、あのころは思ってもいなかったなぁ。

2009年6月6日土曜日

出社38日目。

光回線が自宅につながった記念に、写真を何枚かあげておこうかと思います。

ロンドンというと、天気の悪さばかりがよく話題になり、実際ヒドいときはヒドいんですが、その分、晴れたときの空はすごくキレイです。特に日が沈む前の美しさは、立ち止まってずっと見ていたくなるくらいのものがあります

写真は、夕方みたいに見えるけど、実際は夜の8時くらいなので、日本の夕方の光とはちょっと感じが違うんですよね。

夕焼け、飛行機雲、月。ほとんど新海誠の映像とか、大成建設のCMの世界です。







出社37日目。



この日は、朝、出勤するときに、家のすぐ前の道路で騎馬警察が行進してるのに出くわしました。いかにもロンドンといった感じで、絵になりますねぇ。カッコいい。



でも、ふつうの車道を進んでいくため、その後は大渋滞が・・・。馬の落し物も、あちこちに散乱してました。

2009年6月4日木曜日

出社36日目。

この日はターミネーターの最新作の公開日。会社の男子一同で「観に行くぞ!」とはりきってたんですが、こんな日に限ってみんな忙しく、延期になっちゃいました。

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1、2週間前に、家にネットを引く手続きをしました。いままではノートPCにさすケータイ電話モデムを使ってたのですが、これが異常に遅く、100K前後の画像をメールするにも数分以上かかる有様だったので、ちょっと高いけど光回線を申し込んだんです。

お店の人は、申し込みしてから5日以内に電話で工事日の連絡があると言っていたのですが、5日を過ぎても(例によって)全く連絡がありません。

まぁ混んでるか何かで遅れてるんだろうなと思って待っていたら、手紙が送られてきました。

見てみると、

「工事日:2009/6/4」

と書いてあります。

なんだ郵送連絡だったのかと安心したのも束の間。その下には、こんな文章が。


「あなたの工事日は上記日程から、2007/4/18に変更されました。」


2007年4月18日。2年と2ヶ月ほど前です。過去に工事員を派遣するなんて、それこそターミネーターです。


プロバイダーに電話して「あんたの会社から、こんな内容の手紙が届いたよ」と伝えると、電話の向こう側からは

「プッ」

という笑い声が。

結局、工事日に変更はなく、予定通り6/4とのことでした。あの手紙は、一体何だったんだ?

でも、ロンドンに来てはや2ヶ月弱。数々のズンドコぶりを体験してきたので、これくらいのことでは腹も立たなくなりました。

これを更新してるのが、ロンドン時間で6月4日の夕方。工事自体は、なんのトラブルもなく終了しました。めでたし、めでたし。

2009年6月3日水曜日

出社35日目。

オヤツにマカロンを買って、オフィスの冷蔵庫に入れといたら、誰かに勝手に食われた・・・

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fallonでは、公式な書類とかに社名が出る時は、たいてい"we are fallon"という表記を使います。

名刺に書かれているのは、"we are fallon. I am ○○○"。
ブリーフ(オリエンシート)にも、  "we are fallon. this is our brief"の一文が。

こんな感じで、いろんな文章が"we are fallon" に続く形で書かれてるんです。ちょっと気が効いててかわいいですよね。

これはある人から聞いたウケウリですが、"we are fallon"というフレーズは”フラットな組織”というフィロソフィーに基づいているんだそうです。たしかに実際に働いてみると、"we are fallon"といった感じで、変なヒエラルキーがなく仕事がしやすいように思います。

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fallonに置いてもらうために、ロンドンに来る1年くらい前からメールや電話で交渉してた人がいます。

まだ若く、とても気さくにしてくれるので、僕も「やぁ!元気?」みたいな感じで話してたんですが、実際にこっちに来てみるとすごく偉い人であることが発覚。

いくらフラットな組織とはいえ、馴れ馴れし過ぎたかなと、ちょっぴり後悔しています。

2009年6月2日火曜日

出社34日目。

例の騒動の結果、MARKS&SPENCERの下着の売り上げは3倍近く増加、広告に登場した商品の売り上げが163%増加するなど、大もうけしたそうです。

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以前、ここでも何回かふれた競合プレゼン。守秘義務とかがあるので、このブログでは具体的なことはあまりふれないようにしてるんですが、今日本屋に行ったら業界誌で内幕が思いっきり報道されててズッコけました(しかも表紙にデカデカと見出しつきで)。具体的な扱い高とか、一応、関係者の僕も知らなかったことまで細かく記事にされてます(苦笑)。たしかに深夜残業・休日返上でプレゼンに備えるのもムリのない、とんでもない金額でした。今まで担当してたエージェンシーは真っ青になってるらしいですが、そりゃそうだよな。

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日本では新型インフルでマスクが品切れで買えなかったり、結構な騒ぎになってるらしいですね。ロンドンでは、もうみんな忘れちゃったのか、全く話題にならなくなってしまいました。テレビや新聞を見ても、「スーザン・ボイル、決勝で破れる」とか、そんなニュースばっか。日本人は気にしすぎだし、イギリス人は気にしなさすぎだと思います。